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別班あらわる、の巻

ブハラの宿の息子が駅まで送ってくれた。
今夜は夜行列車でヒヴァに向かう。
彼は、夜のドライブの楽しみは月と星を見ることだと言う。
I like you. と突然彼が言った。何?と思ったら、私の声や話し方がいいんだって。Tea please くらいしか会話してないのに。
朝食のサービスでイライラしている時に私の声を聞くと心が静まった、と言う。それはよかった。
ロマンチックなお世辞を聞きながら、21時に駅に到着。
順調に夜行列車に乗り込む。

私の番号の寝台に行くと、そこに黒い服のご婦人がいた。あれ?という顔をしたら、あ〜、チェンジしたの、と、本来の自分のところに私を連れていく。
しょうがないなぁ、と腰掛けたら、体格のいい男性がきて、そこは私の場所です、と言う。
だって、あっちの人と替わったから、、と見ぶりで伝える。
結局、車掌さんがきて、私には上段が与えられた。4人部屋にはすでにお婆さんと息子らしい2人が寝ていた。
私も発車を待たずにすぐ寝る。

足元が寒くて目が覚めたら5時だった。時々、3人のイビキが混じり合う複雑なリズムが聞こえたり、停車駅での揺れを感じていたけど、よく寝た。
ヒヴァ駅の一つ手前のウルゲンチで同室の3人が下車。下に降りる。
そうだ、ヒヴァに着いたら駅舎は通らずに駅の外にでるから、車内でトイレに行っておかなきゃ、、。
ん?トイレのドアが開かない。
カチャカチャしてたら車両の世話係のおじさんが来て、列車が走り出したらドアは開く、とジェスチャーで話す。私もそれを理解した。

ヒヴァ駅にはホテルの迎えが来てるはずだ。暗いし、城壁の中でホテルを探すのは怖いから、頼んであった。
けど、いない。
白タクがあっちこっちから声をかけてくる。首を横にふり、ひたすら待つ。寒い。
そこに、ひとりの男性が私の前にサーッと現れた。
もうここには迎えの車はいないよ、と言う。
でも、昨日ちゃんと予約したから、と私。
きっと寝坊してるから、私の車に乗りなさい、と。
何ホテル?と聞くから予約表を見せたら、あーあ、友達のホテルだ、って。
そこに書いてある番号に電話をしてくれた。やっぱり寝てた。

別班かと思ったこの人、実は白タクで、30000スムで送るっていう。ホテルの送迎は10ドル。
白タクが断然安いので乗ることにした。
ホテルに着いたら、ビリージョエル似のおじさんが飛び出してきた。
私がお金を払おうとしたら、いいから中に入れという。
たぶん、ビリーが払ったと思う、寝坊しちゃったから。
フロントには、私を迎えに行く時に持っていくはずだった紙が置いてあった。

3日間お世話になりました。

夜行列車。左側が4人部屋になっている

私は上段。しかしハシゴがない。上がるのが大変で、夜中にトイレなんか行けない、と覚悟して寝た。

登山用の靴下を履いてきたから、足先はポカポカでした。

ホテルに着いたら、私の名前の書いた紙がありました。