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ラクダに乗る、の巻

鳥の声で目が覚めた。
布団の中はぬくぬくだけど、部屋の中はヒエヒエ。
エイ、と起き上がり外に出たら、もう、朝が始まっていた。
私のドライバーさんは、いつも私を気にかけてくれて、部屋の灯りはどうだった?と聞く。
チラチラ消えそうになるのが見えていたと言う。
うん、そうなんだけど問題ない、と答える。

今日はラクダで近くの村まで行き、村のお母さんとパンを作る予定だ。
朝食後、ユルタに戻ったら、もうラクダが待ってるよとドライバーさんが言いに来た。慌てて用意をする。
こんな時に忘れ物するんだな、落ち着いて、落ち着いて。
いたいた、茶色で愛らしい瞳の子が私のラクダだ。
村まで40分、♪月の砂漠(朝なのに)が口をついて出る。
はじめのうちは高いところで振り回されている感じだったが、すぐにコツがわかった。
両手でヒモをしっかり持ち、両膝でギュッと鞍を挟んでさえいれば、あとはゆらゆら揺れていればいい。
アラビアのお姫様気分だ。

砂漠の船と称されるラクダは、歩きながら時折り茂みで食事をする。
大自然の中、光を浴び、大地の音を聴きながら、風のように進む私。
この喜びを誰に感謝しよう。

20分くらいして、鞍が左側にずれてきた気がした。
座り直すがまた身体が微妙に傾く。
急にズルっと落ちたら大変だ。
すると先導の少年がきて足置きのヒモを調節してくれた。
鞍がズレてたのではなく、左右の足置きのヒモ(繋がってる)がズレていたのだ。
これで安心だ。

村に近づいた。
ラクダはアスファルトの道を行く。振動が増す。
固い地面はきっとラクダの膝にも負担をかけているに違いない。
ごめんね、私の喜びのために。
さて、ラクダに揺られて着いた村で、どんな出逢いが待っているんだろう。

きれいな朝焼けでした

私のユルタ、ドア閉めてもこんなだった。寒いはず。

キャンプの食堂。ロシアからの団体がいました。

ユルタキャンプの食事は評判がいいらしい。1番右のカーシャというミルク粥と、真ん中のクレープが絶品だった。

この子が私のラクダ。